8/03/2014

格好良すぎて言葉にできない

私が顧問をしている部活の部員たちは私にとって弟や妹なのか、あるいは息子、娘みたいなものなのか考えることがある。
部員はただの部員でなければならないわけであるのかもしれないけれども、1週間のうちほぼ毎日顔を合わせることもあり、接する時間も長くて、どうしても部活の生徒はほかの生徒と明確に違っていて特別な気持ちを抱いてしまう。
私が過剰に部員を意識してしまうように、たぶん部員も私を特別に意識しているなあと思うこともある。

そういう部員との関係というか距離感というか、なぜか言葉にしたいのに上手く言葉にできないことがあって、それは何かというとおそらく部長への思いなのではないかと思う。

部長がとにかく格好良い。

大雑把で素人の私でも分かるくらいその大雑把さがプレーにも表れていて(とはいえそこそこ上手なのだけれど)、でもその雑さこそが部員への指示の的確さにつながっているんだろうなあと思う。
私は何でも正確にやろうとして細かいことまで気を遣いすぎて、かえって複雑になってしまうことが多い。
でも、部長は本当に重要な大枠だけは押さえていて、あとのことはどうでも良いって思っていて、だから指示が上手いのだろう。
もちろん頭も悪くない、というか良い。
それからきちんとした後輩たちのことが大好きで、そういう後輩からも慕われている。
一方、同級生たちからは馬鹿だと思われているけれど、それは変に威張るようなこともないということで、だから上手く行っているのだろうと思う。
あとはとにかく部長として大切なのは声の大きさだと思うが、普段から特別目立って声が大きくてうるさい。

彼自身がいつもどんなときでもきちんとしているかというとそんなこともなくて、私の話をちゃんと聞いてくれなかったり、何回同じことを言ってもわからなかったり、服装がだらしなかったり、どうしょもないなと思うことも多々あった。
でも部員の悪いところは注意して、自分でも締めるべきところは締めて、顧問がいなかったときでももういいやって思って楽な方に逃げずに練習を続けてきたっていうのは本当にすごいことだし、私にはなかなかできないなっていつも考えている。

部長は馬鹿だけれど愚かではない。
部長だけでなく、ほかの部員もそれぞれ輝くところがたくさんあって、だから私はこの部活の顧問になれて本当に幸せだった。
これくらい素晴らしい高校生にこれから出会えることがあるのだろうか、このくらい時めくことがあるのだろうかと思うと不安にもなり、一方では今が一番幸せで、私の思い出の中でも最も輝いているんじゃないかとも感じ、そういう気持ちを抱けるような経験が出来たことを幸運だとも思う。
これでも上手く言いたいことを表現できなくて、私の言いたいことって結局何なのだろう。