11/22/2012

なぜ私がバリアフリーの地図を作るのか

私の大学の教育学部棟は古いことで有名で、大地震が来たら諦めろ、なんて酷いことが何年も前から言われている。
壁も古ければ建物の構造自体も古くて、今は耐震のための監獄みたいながっちりした格子がはまっている窓もある。
そこのとにかくボロい建物の2階がロータリーになっていて、外からエレベーターに乗るためのところに入るためのドアがあるのだけれど、2年くらい前までは引き戸だか押し戸だった。
エレベーター自体もボロボロでしかもいつも混んでいるから、授業に間に合うように10階まで階段で息を切らしながら駆け上がることもある。
そんな古くてどうしようもないような教育学部棟の2階、エレベーターに乗るための入り口が、あるとき
自動ドアになった。
それに気づくと友人たちは、大学はお金を掛けるところを間違っている、とか、学生のことを何も考えずにむやみやたらに改修しているんだ、とか言った。
私も内心そう思った。

でも今から思えば、そこに自動ドアがあることで、肢体不自由の学生も自力で教育学部棟のどこででも授業を受けられるし、裏を返せば、そこに自動ドアがないことで、必ず介助が必要になるわけだったんだと分かった。
学生だけでなく、教員も、職員もそれは同じだ。

ところで私はいろいろな人がいる(ように見える)バンクーバーはすごく暮らしやすくて、息がしやすかった。
ずっと暮らすとしたらそれは違うのかもしれないけど。
ともかく、いろんな人が一緒に暮らせる世の中というのは、人のためにも自分のためにも実現したいところだから、地図づくりはその「息がしやすい社会」を作るための一つでもある。

だから私は、今携わっている学内のバリアフリー化されているところを示すバリアフリーマップのの企画がおじゃんになってしまうようなことになってしまうようなことには絶対になってほしくない。

大学職員の方に迷惑をかけてしまうこともあると思うし、空回りしてることばかりかもしれないけど、人を集めて企画を少しずつでも息が絶えないようにしたいなと思ってる。

私はバリアフリーの体系的な知識はないし、良いアイデアもあまり浮かばないけれど、人を集めることと記録を取ることは割としっかりできるのではないかと思う。

あと、大学関連の課外活動を4年間やっているから、一般の学生よりは多少、キャンパスのことを知っているはずだ。

完全にもともとあった企画に乗っかったわけではあるけれど、地図が完成することで、障碍のある人の役に立つことはもちろんだけれど、少しでも多くの学生に、世の中には障碍のある人もいるし、いつでも人は健康ってわけじゃなく、たまにはケガすることもあるんだ、っていうのを知ってもらいたい。

そのためには「大学側が勝手にやること」ではなくて、「学生がやること」に意義があると思う。
そして、自分もそういう気持ちを忘れないようにしたいから、確かに卒論や就職活動は気がかりではあるけれども、できる限り、上手く行くように何とかしたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿