7/17/2012

映画「ヘルタースケルター」 感想

公開早々、「ヘルタースケルター」を見てきた。
映画ファンにとっては「早々」でもないかもしれないけれど、先週の土曜日公開で水曜の今日、というのは私としては異例の早さ。

以下、ネタバレあります。
映画も俳優も、演技も何に関してもド素人の考え。



・全体的に女優さんは非常に良かった。
女性に向けた映画だなーと思った。

・沢尻エリカももちろんすごいんだけれど、同じ事務所のモデル役の水原希子が予想以上に良かった。
演技のシーンはそこまで多くないから、見る人が見たらどう思うのかは分からないけれど、エリカ様と並んで、「もしかして水原希子の方が綺麗なんじゃないの」と思わせるその撮られ方は良かった。

・大森南朋のロマンチックな感じはどうしても浮いていた。
現実にはあり得ない話、その中でのあのような人物の存在は意味のあることなのかもしれないが、今回の映画の場合、どうしても「現実の(といってもメディアの中の)エリカ様」と「りりこ」を引き比べて見てしまう部分はあり、それが少なからず狙いにもされているわけだから、大森南朋が1人、あまりにも浮き世離れしたセリフ(鈴木杏が「ポエムですか」と指摘していたから多少は救われるとしても)を言っていたのは馴染めなかった。
コメディ要員だったらまた違ったと思うけれど。

・りりこの濡れ場の直接的な描写はあんまりいらなかった。
広告としての話題作りにはなるけれど、何か見ていて飽きた。
窪塚洋介のところは、外で待っているスタッフを映せば良いし、りりこのマネージャーの彼氏のところはそれを見ている寺島しのぶを映せば良いし、哀川翔のところは水原希子が「モデルならみんな吐いてますよ」って言うのと同じで、「主演ならみんなヤってますよ」って言うことで表現できるのでは。
本人を映すよりも周りを映した方が良い伝え方ができる、そんな良い演技をする役者さんがそろっていたと思うからこそ、そう思う。
逆に言えば、濡れ場を映すことでやらしさが減ったのかもしれない。
こういうのを気にしすぎるのはお子ちゃまかもしれないけれど、大胆な濡れ場を売りにしているからこそ、気になるところだった。

・「沢尻エリカ」という女優さんと同時代に生き、今、この映画を見るということには非常に意味があったと思う。
沢尻エリカがキレるシーンにも、愛想を振りまくシーンにも違和感はない。
それは、お騒がせののエリカ様も、映画やドラマの中の沢尻エリカも知っているからだと思う。
一方、沢尻エリカの私生活が少しでも、りりこの私生活と似ているのだろうと思うわけではないし、役と本物はまったく別のものだって分かってはいる。
映画それ自体と、役者やスタッフの私生活(とまでは行かなくとも、映画の外のこと)は切り離して考えて良いはずなのに、余計なことを考えてしまうのは止められないことであって、そういうことも含めて、様々な映画はキャスティングされているわけだし、この映画は特に、現実と映画の中と、そういう相乗効果があって面白さが感じられる映画だったと思う。
沢尻エリカが100%清純キャラとして世の中に認知されていたとしても、沢尻エリカが整形して作った完璧な身体の女の役をやることにぴったりの人物であると思うから、私としては沢尻エリカ本人のスキャンダラスな側面というのはオプションにしかならないと感じたから、それは矛盾しているかもしれないけれど。

・基本的に、セリフはいらなかったんじゃないかと思う。
R-15でそこまで説明がなくても話がわかる年齢の人が見ているわけだから、映像美を見せることに集中した方が良いのではないかと勝手なことを言いたい。
ところどころ、例えば、メイド服の女の子だとか、レポーターだとか、そういう人のセリフはBGM的にあっても良かったかもしれないが、主要なキャストのセリフはなくても、演技でわかると思うし、私としてはセリフがあることで現実、というか映画の外に引き戻されることが結構あって、何度も時計を見てしまった。
全体的に、最後の「ヤバいショーとか見せるお店」のシーンみたいに、目で語る感じにしたら良かったと思う。

・とにかく、この映像を大スクリーン、大音響の中で見ることは非常に大切だと思うし、これをテレビで見たところであまり意味がないと思うから、今日、映画館に見に行ったのはとても良かった。



参考:映画「ヘルタースケルター」公式サイト
http://hs-movie.com/index.html

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